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特集 住宅と健康 第8回社会医学研究会・主題報告と総括討議 主題報告Ⅳ 住宅政策のありかた
座長まとめ
著者: 大平昌彦1 朝倉新太郎2
所属機関: 1岡大医学部衛生学教室 2阪大医学部公衆衛生学教室
ページ範囲:P.650 - P.651
文献購入ページに移動衛生学の祖Pettenkoferは,物理・化学的な居住条件を中心に「住宅衛生」をとりあげ,学問の対象にした。その流れをくむわが国の衛生学もまた「住宅衛生」に関するかずかずの科学的研究成果を蓄積してきた。しかし,これらの成果はごく特殊な場合を除き,居住条件の「あるべき状態」―Soll-zustandを追求したにとどまり,多くの国民の居住条件の改善に役立つように政策に反映することはなかった。しかし今日,住宅問題が国民生活のうえでもっとも切実な課題となり,しかもその解決が土地問題,都市計画などを含めて,まったく個人の能力を越え,公共の力にゆだねざるをえない状況のもとでは「住宅衛生」の死命を制するものはまさに公共の住宅政策にあるといってよい。
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