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特集 胃癌の公衆衛生対策 主題 胃癌の公衆衛生対策
胃集団検診の現状と今後の見通し
著者: 林弘1
所属機関: 1厚生省公衆衛生局企画課
ページ範囲:P.78 - P.82
文献購入ページに移動死亡統計によれば,戦後の医学医術の進展や公衆衛生の向上により,かつて猛威を奮った各種の伝染病,結核・胃腸炎・肺炎あるいは乳幼児疾患が減少し,その結果50歳にも満たなかった日本人の寿命が70歳にまで延びてきた。一方,出生率の低下に従って,国民の年齢構成が変化して,成年層,老年層の占める割合が多くなった。このため,脳卒中・癌・心臓病などの成人病による死亡が戦後年々増加して,昭和26年以降は脳卒中が国民死因の第1位に,癌が28年以降第2位に,心臓病が33年以降第3位になってきた。しかも,年齢5歳階級別に観察すれば,脳卒中や心臓病は55歳以上の年齢層に多いのに対し,癌は35〜54歳という働き盛りの年代で第1位を占めている。しかも部位別にみると,日本より癌の多い欧米先進国ですでに過去の疾病になりつつある胃癌が,日本では癌死亡者の半数近くも占めていることは,わが国の大きな特色であり単に公衆衛生上ばかりでなく社会的にも経済的にも国家の大問題である。
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