公衆衛生31巻2号

1967年02月発行

特集 胃癌の公衆衛生対策

活動状況 地域の胃癌対策 胃集団検診の体制と問題点

胃癌対策の公衆衛生的問題点

著者： 有賀槐三¹ 高橋淳¹

所属機関： ¹日大医学部有賀内科

ページ範囲：P.83 - P.86

文献概要

はじめに
　胃癌を早期に発見しようとするには，臨床症状を契機としてはじめて成立する診療体系からは期待できない。現在では早期胃癌は治るものとされている。問題はこの早期発見のアプローチをどのような体系で行なったらよいかということである。個人検査に主体をおけば，公衆衛生の立場では啓蒙に比重がかかる。集団検診に主力をおけば，検診という医療行為そのものを公衆衛生的立場で直接取組まねばならない。現実は両者が併行して実施されてきている。ここに1つの問題があるが，好むと好まざるとにかかわらず胃集団検診は公衆衛生的処置を必要としている。