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物価と食生活
著者: 稲葉秀三
所属機関:
ページ範囲:P.126 - P.127
文献購入ページに移動いま国民がもっとも深い関心をもっているのは消費者物価問題である。昭和41年度も政府の見通しで前年度よりも5.5%上昇することになっているし,その後の見通しも新長期経済計画によれば,向う5年間,年率4%台の上昇はさけがたいという。しかも,こうした物価動向のなかで,とくに値上りの著しいのが食料品だとかクリーニング,散髪などのサービス料金である。それだけに国民は物価上昇の脅威を数字以上に強く感じているし,政府に対する不満も想像以上につよい。
私も,政府の物価対策の無策さに対する批判はきわめて強いものをもっている。しかし,物価の安定はただ単に政府の施策だけでかちとれるものでないことはいうまでもない。したがって,政府の施策に対する注文は別の機会にゆずるとして,ここではわれわれ国民というか,消費者の立場からの物価安定への努力について2,3考えていることを明らかにしてみたい。つまり,物価を安定させるためには,われわれ消費者自身が食生活の改善やショッピングへの工夫が必要ではないかという問題である。
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