icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生31巻4号

1967年04月発行

海外事情

欧米主要都市の救急医療体制

著者: 鈴木又七郎1

所属機関: 1東京救急病院協会

ページ範囲:P.220 - P.225

文献概要

 救急医療という言薬が生まれたのは,つい2〜3年前のことであった。救急医療体制の確立強化を急げ!という世論が沸騰しはじめたのも,つい先頃であったように思う。そうかと思うと,救急業務などといって,医師法で定められた仕事と,そうでないものとが一緒になってピントのぼけた言葉も現われてきたしまつである。こうした与論が起こってきたその最初は,東京を代表としてわが国の多くの新産都市が,爆発的な人口と産業の都市集中,すなわち,"集中と再開発"という急激な勢いで発展してきたことにある。この発展に対して激動する都市化問題について未熟な政治力と遅れた社会開発とがついていけず,結局,理想の都市構成と,現実との間に多くの断層が露出して,その結果いろんなところに機能のマヒを起こしてきたためではないだろうか。
 たとえば,ここで述べようとする主題のなかで,年間交通事故の犠牲者の数が,史上最高という悲しい記録と,一連の関係にある"救急医療体制強化"という切実な声も,実はこうした未完成都市の断層の間から湧き出してきたのであろう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら