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講座 情報科学とその応用・1
医学における情報科学の基礎
著者: 高橋晄正1
所属機関: 1東大医学部物療内科
ページ範囲:P.240 - P.245
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医学の目標は,対象とする集団の健康の水準を高め,病気という事故を予防し,起こった病気はなるべく早く発見し,発見された病気はなるべく早く,なるべく完全に治療するということである。わたくしたちの生命はつねにその周囲から脅威をうけているから,生命を脅かすものにたいする戦闘を分担しているのが医学であるということになる。戦闘に勝つためには強力な武器を持つことも必要であるが,戦闘の態勢をどのように行なうかという作戦の研究も必要であることはいうまでもない。
病気にたいする戦闘には,敵と味方の状態をたえず把握しておく情報収集のしくみと,これから最大限の情報を汲みとるしくみが必要である。すなわち健康管理といわれるものがこれに相当するものであろう。それは企業体のなかで職場単位で行なわれるだけでなく,国民の全階層と環境のすべてにたいして常時行なわれていなければならないものである。それによって発病の前徴としての臨床症候を早期にとらえ,打つべき有効な手順が早期に実施されることが期待されよう。
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