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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生31巻7号

1967年07月発行

文献概要

私の保健所

辺地を多くかかえてつきない悩み—鹿児島県鹿屋保健所

著者: 土屋高夫1

所属機関: 1鹿児島県鹿屋保健所

ページ範囲:P.390 - P.392

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広くて交通不便な管内(第1図)
 鹿屋保健所の管轄地域は鹿児島県鹿屋市,垂水市および肝付郡の2市9町21万の地域である。九州の片方の脚にもたとえられる大隅半島の先端の大部分をしめ,九州本土の最南端に位置し,太平洋に面した地帯に属している。地勢は山が多く交通が不便で,鹿児島県のなかでも薩摩半島と比較して後進的であるといわれている地域である。気候は温暖で管内の大部分の海岸線は無霜地帯である。バナナ,ブーゲンビリア,ダチュラなどが露地栽培されてちょっと変わった風光をかたち作っている。地形は桜島の東にそびえる1,200mの高隈山に連なる笠之原台地を主とした台地と,肝付川流域,南部の1,000m級の国見山系の三つに大別され,南端に灯台で有名な佐多岬,東海岸には太平洋に面して内ノ浦町の長坪ロケット発射墓地,辺塚自衛隊射撃演習場などが山の上から直接海に向ってひらけている。管内はほぼ三角形をしているが,鹿児島湾岸,太平洋岸ともに長さが約80粁,三角形の底辺の長さも約40粁ぐらいあり面積が約1,200平方粁,佐賀県,神奈川県の半分ぐらいである。交通は肝付川流域に国鉄のローカル線古江線が垂水市・鹿屋市から宮崎県都域市方面へ通じているが,5町には鉄道は通ってなく2町は国道も通っていない。北部は国道,県道がよく発達しているが,南部は鹿児島湾に沿って国道が一本通っているだけで,東海岸の部落に行くには,ひとたび西海岸に出てから行かなければならない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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