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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生31巻7号

1967年07月発行

文献概要

講座 情報科学とその応用・3

循環器成人病管理における情報収集の実例—眼底情報を中心に

著者: 新井宏朋1

所属機関: 1千葉大学医学部公衆衛生学教室

ページ範囲:P.420 - P.424

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Ⅰ.情報科学からみた眼底検査
 われわれが眼底情報を収集するのは,社会人の脳卒中・心筋梗塞などをめぐるリスクを予測し,その制禦の方策をもとめようとするためである1)2)。われわれはこのために有用な情報が眼球網膜にあることを先人の知見により知っている。網膜面上とは具体的には綱膜中心血管(細小動脈,細小静脈ならびにその交叉部),周囲の網膜実質および視神経乳頭部である。情報科学の用語ではこれらを情報源と呼ぶ。われわれは検眼鏡や眼底カメラによって,これらの情報源から各種の情報を収集する。網膜細小動脈の狭細,口径不同,反射亢進,動静脈交叉現象,網膜出血,浸出,白斑,網膜および乳頭部の浮腫などである。情報科学の用語ではこの過程を"いろいろな情報路,すなわち多因子情報路からの情報収集"と呼んでいる。おのおのの情報路を通じては,それぞれ特徴のある信号(signal)が送られてくる。網膜出血という情報路からは出血"あり"または"なし"の2種類のどちらかが(これを2レベルの情報路という),口径不同という情報路からは-,+,⧺の3レベルのうちの一つが送られてくる(3レベル情報路)3)4)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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