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日本脳炎を予防するには
著者: 山下章1
所属機関: 1東京都麹町保健所
ページ範囲:P.486 - P.486
文献購入ページに移動日本脳炎にはまだ特効薬は発見されていない。そのために致命率は伝染病中最も高い。昨年は2,163名届出られ1,445名死亡している。死亡をまぬがれた者もそのほぼ半数は,大小の筋肉麻痺や脳神経症状が後遺症として残る。昭和22年から20年間の死亡者の合計は21,166名とばく大な数になる。この伝染病の病原巣については,学者によって必ずしも意見が一致してはいないが,媒介昆虫はコガタアカイエカを主とする蚊属であることは異議はない。だから蚊の発生を皆無にすれば,本病の発生はありえないことになる。しかし,下水道をはじめとする生活環境整備の遅れているわが国では,これは当分望めそうもない。
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