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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生32巻3号

1968年03月発行

文献概要

特集 医療社会事業の役割 主題

わが国の医療社会事業の沿革と現状

著者: 杉本照子1

所属機関: 1関西学院大学社会学部

ページ範囲:P.128 - P.133

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医療社会事業とは?
 社会事業はさまざまの社会施設においておこなわれている。児童相談所で実施されている社会事業は児童福祉とよばれる。学校での社会事業は学校福祉事業であり,隣保館や社会館で実践されているのは地域社会福祉事業である。社会事業は人間のあらゆる生活の部面とかかわり合いをもっている。学校生活を例にとってみれば,学童の怠学,知能が優れているのに成績が悪い,学友となじめない,級の秩序を乱すといった学校生活の面でさまざまな問題をおこしている子どもを対象とする。それと同様に医療社会事業は病院,外来医療機関,結核療養所などの各種医療施設において実施されている社会福祉事業を指していう。その対象者は医療機関に来る患者であり,その人々はさまざまの問題をもっている。たとえば,医師の診断を受けいれないで治療に非協力であったり,病院生活に適応できなかったり,経済的に医療を受けられない立場におかれていたり,一応治癒しても退院先がなかったりする。せっかく,受けた医療をむだにしてしまったり,提供されたものを活用できなかったりする原因はいろいろある。それらの複雑な原因を知って,医師,看護婦,家族と協力して患者を一日も早く快復へと導く援助を行なうのが医療社会事業家の役割である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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