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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生32巻3号

1968年03月発行

文献概要

特集 医療社会事業の役割 論点 医療社会事業に何を期待するか

社会福祉の立場にたつという認識を

著者: 藤咲暹1

所属機関: 1仙台市衛生局保健課

ページ範囲:P.150 - P.151

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 医療社会事業は,戦後の保健所法の改正で保健所は医療社会事業の向上増進について指導および必要な事業を行なうと明記され,以来20年余を経過した。医療社会事業がわが国に入り,その基盤を築いたのははるかに戦前のことであり,その後いかに新しい分野の仕事であったとはいえ,その発展の歩みがあまりにも遅すぎると感ずるのは,私一人だけではないと思う。発展しないということは,その必要性がないためか,その必要性が理解されないためかであろう。医療社会事業などというものは,まったく無用のものでその必要性がない社会であれば理想郷であって,われわれは目標としてこういう社会を夢みているともいえるが,現実には医療社会事業の必要性は十分すぎるほど見せられ聞かされている。医療社会事業が発展しないのは,その必要性が理解されないためである。たしかに国民全般に理解されていないが,これは医療や公衆衛生などの医療関係者にもその必要性が認識されていない現状では,国民にわかってもらおうと考えることが所詮むりなことであって,当事者はこの点を深く反省しなければならない。今までの長年月にわたる関係者の懸命な努力にもかかわらず,なぜ理解がえられなかったのだろうか。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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