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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生32巻4号

1968年04月発行

文献概要

談話室

学校保健の課題

著者: 村上賢三1

所属機関: 1北陸学院短大

ページ範囲:P.182 - P.183

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 〔Ⅰ〕 わが国における学校保健は,戦前・戦後においては,その考え方なり,実際の活動面においても大きな変化が認められる。すなわち戦前の学校衛生といった時代には,校医が中心になってその活動が続けられ,しかも保健管理にその主力がそそがれてきたのである。
 そのうえその活動は,教育の目的を達成するための補助的活動と考えられてきたのであるが,戦後の新しい健康観の上にたって,生命の尊厳性に鑑み,健康の保持増進の問題は,教育の手段としてではなく,教育の目的と考えられるように,世界的に変わってきたのである。わが国の憲法第25条および教育基本法第1条の精神もまったくここに存するのである。戦後における学校保健の考え方は,上述のようにその方向を変えてきたのであるが,これが現場の教育のなかで,どれだけ正しく認識され実践されているかという点になると,今なお多くの問題を残しているのである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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