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厚生だより
新たな原爆被爆者対策
著者: T・A
所属機関:
ページ範囲:P.234 - P.234
文献購入ページに移動国の一般的な被爆者対策は,昭和32年法律第41号をもって制定公布された原爆医療法(原子爆弾被爆者の医療などに関する法律)によって始められた。当初の法律の内容は,被爆者一般に対する健康診断の実施といわゆる原爆症患者であるとして,厚生大臣がその疾病の原爆起因性を認定した者(認定被爆者)に対して行なわれる当該疾病についての医療の給付であった。その後,昭和35年に原爆医療法の一部を改正し,特別被爆者制度を設け,特別被爆者に対し一般疾病の医療費を給付すること,および認定被爆者が当該疾病について医療の給付を受けている場合に医療手当を支給することとした。この改正は,原爆の放射線を多量に浴びた被爆者は,放射能の影響により一般的に負傷または疾病にかかりやすいこと,負傷疾病が治癒しにくいことなどにかんがみ,これらの者の一般疾病の医療費を給付するものとしたこと,および少しでも治療効果の促進を図るため,月額2.000円内の医療手当を支給することとしたのである。その後は,政令改正により,この特別被爆者の範囲の拡大と医療手当の増額を図って今日に至っている。
昭和32年以来,原爆医療法を施行してきたわけであるが,現在ではこの法律の対象たる被爆者は約30万人であり,このうち特別被爆者は約24万5千人である。昭和40年度から42年度についての原爆被爆者対策費の予算状況は上表のとおりである。
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