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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生32巻6号

1968年06月発行

文献概要

講座 疫学・3

疫学調査のポイント

著者: 平山雄1

所属機関: 1国立がんセンター疫学部

ページ範囲:P.274 - P.277

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はじめに
 疫学調査の講義は一応きいた,その方法とか定義について教科書を読んだ,そのような経験を持つ者がさて実際に集団発生に際会し,あるいは異常流行とあい対して疫学調査を行なおうとする段になると,何をくらべていいか分らない。試みてはみるけれどもさっぱり自信が持てないという経験を持たれた方は少なくなくないと思う。なんといっても場数をふむことが必要だということもある点では正しいわけだが,しかしそれ以上に重要なポイントがあると考える。そのポイントとは何かということを説明するのだが,私は一言にしていえば,仮説を立ててそれを軸にして疫学調査を展開することだと思う。そうい立場と一方仮説を持たないでただ莫然と調査をつづけていく立場のいずれをとるかが,確実な足どりで求心的に結論に近づく調査にするか,どこまで調べをつづけてもまとまりのつかないものにするかの分れ目になるのではないかと考える。
 私自身過去に行なってきたかずかずの疫学調査をふりかえってみて,ある時には非常に自信をもってスムーズに調査を行なうことができたと感じ,ある時には非常にヨタヨタともたつきながら調査が進行していったということなど回顧するのであるが,反省的に整理してみると,やはり最初から方針をキチンとたててのぞんだかどうかということが,その決定的な要因になっていたと思われる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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