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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生32巻6号

1968年06月発行

文献概要

研究

一般家屋内における騒音について

著者: 佐々木武史1 宮田英子1

所属機関: 1京都府立医科大学衛生学教室

ページ範囲:P.294 - P.295

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 公害としての都市騒音,ことに交通騒音は年々激化の一途をたどりつつあるが,著者らの調査によると主要道路に面した場所を除けば時間当り件数としては,交通騒音の頻度はあまり高くない。大部分の市民の生活が営まれている,主要道路から離れた裏通りではむしろ他の騒音の影響のほうが大きいようである。著者の教室では京都市内の一般住居や医院診療所で屋内における騒音測定1)を行なったことがある。その結果によると,居間の中で測定した騒音の音源は屋外75%(そのうち交通音は50%),屋内25%の割合であって交通音以外の音源の占める割合は非常に大きい。しかしこの騒音の頻度は指示騒音計を用いて5秒間隔で測定した際,暗騒音2)と明瞭に区別できた音源を対象としているので,実際的には測定者が聴いている騒音,とりわけ交通騒音以外のレベルの小さい騒音の頻度は実際ははるかに多いのである。このことは京都府警察本部で集めた騒音に対する投書や苦情3)の内容をみても交通機関に関するものは昭和35年度でわずか5%にすぎないことからも想像できる。交通騒音以外の苦情の内訳は作業音33%,音響機器(ラジオ・テレビ・音楽など)22%,風俗営業音(音響機器,作業音,動作音)19%,深夜の騒音15%,その他6%である。要するに地域的にまんべんなくあるのは音響機器音と動作音(声音を含む)作業音などの生活にともなう騒音である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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