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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生32巻7号

1968年07月発行

文献概要

談話室

今後の伝染病の課題

著者: 金光正次1

所属機関: 1札幌医大・衛生学

ページ範囲:P.200 - P.201

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 伝染病対策の将来を語るに先だって,その生い立ちと現在に至るまでの歩みを展望してみよう。中世期までは悪疫が流行すると,人々はそこから逃げ出すほかにそれを免れる方法がなかった。デカメロンはそのころ欧州をおそったペストの大流行から逃避して,城館にたてこもった人たちの物語といわれている。たび重なる悪疫の来襲から,人々は流行地と患者の隔離,病因に汚染された船の入港禁止が流行の侵入を阻止することを学んだ。この方法は,どんな伝染病にも有効というわけではなかったが,ペストやハンセン病の予防には確かに役だった。伝染病対策は,この時に始まったといってよい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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