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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生33巻10号

1969年10月発行

文献概要

海外の医学教育

イギリスの医学教育(1)

著者: 森亘1 北川正信2

所属機関: 1医歯大病理学教室 2東大病理学教室

ページ範囲:P.578 - P.582

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はじめに
 一国の,特に他国の医学教育について紹介し,あるいは意見を述べることはなかなか難しいものである.たとい,その土地にかなりの期間滞在していた人であっても,私どものようにそこでの主目的がむしろ研究であれば,実際に見聞する範囲も根拠地を中心としたきわめてわずかな,限られたものに過ぎなくなる.偏見,あるいは故意の歪曲は論外としても,このような個人の限られた経験では,たとい1つ2つの事例を挙げるには十分であっても,一国の医学教育全体の紹介文を書くにははなはだ不十分と考える所以である.かくして,2名の考えを綜合すれば,1名のそれに比べて多少ともましであろうかと,1966年から67年にかけての1年間をケンブリッジで過ごした森と,現在ロンドンに滞在中の北川両名の意見を合わせて,ここに簡単な紹介文を書くこととした.なんらかのご参考になれば幸いである.
 オクスフォード,ケンブリッジの両大学はある意味では英国における大学の代表である反面,別の意味では例外でもあるように思われる.中でも,しばらく前に臨床面を整備し終わったオクスフォードに比べて,いまだに臨床教育をほとんど行なわないケンブリッジは,さらに例外であろう.しかし,実はこれこそ英国における医学教育の真の姿であるのかも知れない--すなわち,基礎ならびに臨床教育の分離,あるいは独立とも考えうるであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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