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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生33巻11号

1969年11月発行

文献概要

人とことば

偶感二題

著者: 松村䏋1

所属機関: 1千葉大・衛生学

ページ範囲:P.605 - P.605

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抗生物質は両刃の剣
 先日,私の知人の一医師が悪性貧血症のため逝去せられた.この人は今から約一年前,胆石摘出の手術後腹壁に胆汁の瘻管を残し,その処理のために同医師は相当長時日の間,抗生物質剤の使用を続けられたとのことである.この抗生物質剤の副作用で大切な身体の造血中枢を犯され,血球再生不能症に罹かり,遂に難治の悪性貧血症を招いたとのしだいである.
 近頃,薬原病と呼ばれるもののうち,サルファ剤やマイシン剤の副作用として人体の生活機能に必要な腸内固有菌叢に異変をきたし,有用なる普通大腸菌が消滅し,その虚に乗じてカンジダ菌が侵入し,腸管全体に繁殖し,そのために重篤なる交替菌症を誘発する,という例数が幾多報告せられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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