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雑誌文献

公衆衛生33巻12号

1969年12月発行

雑誌目次

特集 第10回社会医学研究会 開会のあいさつ

激動する状況のもとで

著者: 吉田克己

ページ範囲:P.661 - P.661

 第10回の社会医学研究会がやってきました.今年は,われわれ医学関係者,特に大学関係者にとってはたいへんな激動期になっております.すでに日本における大学問題は,それ自体で1つの大きな社会的政治的課題であり,すでに2年以上の長きにわたって紛争が続いております.この問題は医科大学がかかえていたいろいろな矛盾が,そのきっかけになったことはよく知られているとおりであります.しかもこの問題は不幸にして,医学界における封建制や古い支配構造を正しく解決するのではなく,なんらの建設的目標や行動をもたない単なる破壊的行動のみを至上とする一部の人たちによって,より複雑なものとなっております.また,一方,最近この問題に対処するためと称して,大学運営臨時措置法案なるものが現われ,大学の自治,学問思想の自由に対するきわめて重大な脅威となってきております.
 このようないくつもの問題が,山積みした状況の下で,この研究会の開催を準備された名大医学部の事務局の方々はたいへんな苦労をされました.この点,厚くお礼申し上げます.また,このために一部に準備に不十分な点があるかもしれませんが,この点お許しを願いたいと思います.また,演題についても例年より少なくなったことはざんねんだったと思います.

主題

保健所の基本的課題をめぐって

著者: 西三郎 ,   木下安子 ,   東田敏夫 ,   橋本周三 ,   菊地頌子 ,   山本裕子 ,   前田黎生 ,   乾死乃生

ページ範囲:P.662 - P.671

 昨年の研究会において,東田敏夫"保健所活動の停滞の現状と対住民サービスのありかた"を中心として討議を行ない,それを通じ"住民による保健所の統制"の方向が指摘された.今年はその発展として"保健所の基本的課題"を明らかにすることを主題の1つとし,その論点を次の2点にしぼって演題が募集された.
 1.保健所の基本的課題
  ①その理論的整理
  ②その具体的あらわれ
  ③住民の健康を守る保健所とはどういうものであるか.
 2.真の意味での住民の健康を守る保健所にするためにどのように行動すべきか
  ①住民はどのように活動すべきか.
  ②保健所職員はどのように活動すべきか
 さて,問題提起および発表される5題を中心として,要望課題の討論の主旨にそって研究会をすすめたいと思う.

住民の健康を守る運動(1)—公害予防の住民運動をめぐって

著者: 芦沢正見 ,   水野洋 ,   庄司光 ,   星野貞夫 ,   芦川照江 ,   金井良栄

ページ範囲:P.672 - P.676

 "住民の健康を守る運動"という主題のもとでは,庄司教授(関西大)の問題提起演説が冒頭に行なわれ,以下演題を,1)公害予防の住民運動をめぐって,2)住民運動と医療機関,3)住民運動と科学者の役割,という3グループに分けて,順次口演がなされた.筆者両名は問題提起および上記 1)のグループに属する次の各演題の口演と討議の要旨ならびに座長としての感想を記すことにする.文責は一切筆者にあることはいうまでもない.
 "公害予防の住民運動をめぐって" というテーマでは次の演題がとり上げられた.すなわち,演題番号8,香良州における日本石油進出反対運動 星野貞夫(三重大 農),同9,富士火力設置反対運動 芦川照江(富士川町),同10,小牧ターミナル設置反対運動 金井良栄(岩倉町)

住民の健康を守る運動(2)—住民運動と医療機関

著者: 大平昌彦 ,   加藤孝之 ,   丸屋博 ,   柳楽翼 ,   大岩茂則 ,   安賀昇 ,   藤森弘 ,   五島正視 ,   沢美奈子

ページ範囲:P.677 - P.682

 "住民の健康を守る運動"という問題提起を受けて,すでに住民運動を進める中で,医療従事者,医療機関に対する数々の具体的な行動への呼び掛けが,批判も含めて住民要求として討議された.
 ここでは,これら一連の報告,討議の上に医療従事者,医療機関の側から,"住民の健康を守る運動"に対する医療機関,医療従事者の役割,運動の中での位置づけを明確にすることによって,住民要求との対応を具体化したいと考えた.

住民の健康を守る運動(3)—住民運動と科学者の役割

著者: 井上俊 ,   大川博徳 ,   竹内宏一

ページ範囲:P.683 - P.686

 公害は年々拡大の一途を辿っている.公害対策は国あるいは地方自治体の行政の問題であるが,経済優先の現在の政策の中では,たとえ役所に公害課ができても公害部ができても,それだけでとうてい公害が片づくものではない.法律もできてはきたが,ほとんどの法律は経済との調和をうたっており,公害をなくすということを強く規定してはいない.したがって,経済が発展すれば公害もまた拡大する理屈である.そして"公害は必要悪"という言葉さえ出てきている.それを裏書きして,日本の経済成長とともに公害は拡大の一途を辿っているのである.
 このような体制の中で,被害者である住民の運動のみが局地的にいくつかの公害問題を解決している.今の体制下で住民運動なしに公害の解決があり得ないことは,行政当局者自身も認めているところである.しかし一方,住民は公害に対して十分な科学的知識を持ち合わせていない.そこで公害防止のためには,住民の側にたって果たす科学者の役割がきわめて重要だということになる.この問題に関して大川,竹内両氏の報告をもとに活発な議論が展開された.まず,両氏の報告を紹介しよう.

自由集会(世話人まとめ)

職業病をどうして掘りおこすか

著者: 原一郎

ページ範囲:P.687 - P.687

 約25名が参加して,細川(関西医大),川森(群馬大)を司会者として会が進められた.はじめに,原(大阪府公衛研)が,【イ】職業病が埋もれている理由,【ロ】医療機関における職業病診断態勢1),【ハ】職業病の堀りおこしに関係する諸機関の役割と関係について総括的な話題提供を行なった.
 ついで,【ハ】に関連する最近の特長的な活動経験が報告された.まず"大学における労働衛生相談活動"として,7年前に名大病院の医療社会事業部の一部として発足した名大の近況が報告された(名大,松本).相談件数は年平均約50で,若い臨床医からの紹介,労組の支援の増加の傾向があり,相談内容が教室の研究テーマへ発展した例もある.しかし,措置が十分に行なえない事例も多く,最近は相談室としての活動は停滞している.その打開のためには,職業病クリニック(病院の一部に)と,大学付属の職業病研究施設をつくることが検討されている.

今日の栄養問題

著者: 藤森弘

ページ範囲:P.688 - P.688

 自由集会"今日の栄養問題"には,出席者30名.保健所(医師,栄養士,保健婦,技術職員),養護教員,病院・診療所(医師,栄養士,職員),大学・研究所など,さまざまな分野で実際に"栄養指導"に当たっている人々が多かったため,指導という立場で栄養ということをどのように考え,扱うかという点をめぐって問題提起され,討議されることが多かった.基本的には,"栄養問題"は,社会医学の課題としてとりあげるなら,食生活問題としてとらえるべきだという点で,出席者は一致していた.つぎにそのいくつかを要約する.
 "栄養基準":指導という立場に立てば,どうしても必要であるにもかかわらず,基準値をどのように決めるかはまことにむつかしいうえに,その運用はそれ以上にむつかしい.集団を対象とした場合と個々人を対象とした場合とではちがうだろう.歴史的に見て,"栄養基準"はつねに生理的最低必要量にすりかえられようとしてきたことをたえず想起すべきだろう.もし"栄養基準"を求めるならば,日本の風土・歴史が育ててきた食べもの,食生活の型などに深く留意すべきだろう.

公害訴訟における法と医学の問題点

著者: 吉田克己

ページ範囲:P.689 - P.689

 今日公害問題によって直接的にその被害者となって苦しみ,あるいは死に至った悲惨ないくつかの事例が存在している.このような問題に対する救済措置が,あまりにも不十分であり,このために法に基づく加害者への直接的な求償請求の要求が提起されている.その代表的なものとしては,四大公害訴訟といわれるところの阿賀野川メチル水銀中毒,四日市喘息,イタイイタイ病,水俣病の4つの求償訴訟があり,また,サリドマイド事件や,その外に数多くある騒音,振動その他の健康障害をめぐる訴訟問題も公害における私法的救済を目的としており,また同時にこれらの訴訟は単なる被害者の救済ではなく,公害対策そのものの抜本的強化を実現することをめざすものといえる.
 このように,いわゆる公害訴訟は単なる少数の被害者の救助を目的としたものではなく,公害問題の基本的な排除,健康障害の抜本的解決をうながす1つの社会的手段としての意味が大きいが,同時にこれが法に基づく争いである以上,その訴訟維持に当たって科学的な準備,特に医学的因果関係の問題が大きな地位を占めることは当然であるといえる.この点で,法と医学の考え方を相互に調整して行くことが必要となってくる.

革新首長下における保健行政をめぐって

著者: 木下安子

ページ範囲:P.690 - P.690

 ひる間"保健所の基本的問題をめぐって"の討論が十分深められないまま,重大な問題が提起されっぱなしに,夜の自由集会にバトン・タッチされた感があった.たとえば東京都の保健相談所の計画にたいし,あるいは名古屋の新生児訪問指導にたいして衛生行政の内部から批判を出すこと,行政のしていることはよくない.欺瞞だというのでなく,それを受けとめ,良くしていく努力をしてほしい,という愛知県の北野衛生部長の発言に対しての討議も不足であった.また大阪の同和地区を中心にした乾死乃生保健婦のたたかいについての評価もまちまちであった.それから東京の事例の報告についても,これが果たして保健婦の仕事だろうかという疑問もなげかけられた.
 いわば夜の自由集会は,こうした深められないもろもろの問題を,すっかり背負いこんで出発したようなものだった.

一般演題

伊勢湾周辺地域への産業資本の進出と労働者,住民の衛生問題

著者: 相磯富士雄

ページ範囲:P.691 - P.693

 名古屋大学 山田信也より,いわゆる地域開発と住民の健康問題の関係を包括的に取り上げ,従来あまり取りくまれなかった視点から,次のような問題提起がなされた.
 明年は日本の命運をかける安保条約改訂の年である.この10年間の政治,経済の変化が職場,地域に大きな変化を与え,日本の労働者,農民,勤労大衆や母や子の健康に決定的な影響を与えたことについて,この10年間をふりかえり,今後の方向づけをすることが必要であることを名大社医研グループは討議確認した.職場の労動者,地域の住民の健康を1つの根元への結びつけを意識して,学問的な実践や住民運動に結びつけていくことに大きな立ち遅れがある.この取りくみのために,愛知県における,伊勢湾臨海工業地域への産業資本の進出による労働者,住民の健康破壊について問題提起し,来年の課題への提案事項とした.

食品中毒の問題点(森永砒素ミルク事件の実態調査)

著者: 朝倉新太部 ,   相磯富士雄

ページ範囲:P.694 - P.694

 大阪大学生の奥山明彦,小野元胤によって報告され,さらに共同調査をした大阪府の保健婦から追加発表がなされたが,以下要約である.
 社会が高度化され,産業化されてきた現在,いろいろな"公害"が,多くの人々を苦しめている.その"公害"の中で最も重要なものは,食品による"公害"ではないか.人間が毎日飲食しているものに何らかの毒が入っていたらどんなことになるか.まことに恐るべきことであるが,現実にはライスオイル事件,水俣病などがおきている.このような食品公害が起こらないようにするためにはどうしたらよいか.このような時点で,次第に忘れさられつつある森水ドライミルク砒素事件の被災者について,その後の状態をしらべることは重要なことである.当時の被害者である赤ちゃんも13年を経過して中高校生になっており,この子たちに,現在でも中毒症状が残っているのか.その症状,その患者たちに対する社会の対策が行なわれているかなどについての調査をした.とくに被害者の苦しみ,考えを知ることに重点をおいた.大阪大学の学生2名,大阪府下の保健婦,養護教諭の集まりである"はばたけ会"で6カ月の間討論した結果,この実態調査をおこなうことの意志の統一がなされた.

まとめ討論

公害問題をいかにとり組むか—社会医学研究会,今後の課題

著者: 西三郎 ,   大橋邦和

ページ範囲:P.695 - P.701

市民運動—住民と社会体制とのたたかい
 司会 公害に対する市民運動については現実の支配体制の問題を抜きにしては論ずることができないという討論を踏まえたうえで,住民を中心とした公害闘争について,論じてみたいと思います.
 芦川(静岡富士川町)まず,現在の公害闘争が,正規の法的手続きで行なわれないという点が問題です.というのは,請願という形があるのに,私たちの選んだ市会議員なり,県会議員が,そういう問題に対してそっぽを向いてしまうといったことがある.そこで市会・県会といった自治体とどのようなつながりを持った市民運動を考えておられるのか,その点をお聞きしたいわけです.できましたら体制の問題と重ねてお話しいただければと思いますが.

印象記

幅広い企画と層の厚い参加を

ページ範囲:P.703 - P.703

 "保健所の基本的矛盾""住民の健康を守る運動"が要望課題として取り上げられた第10回社医研は7月26,27日の両日,名古屋科学館でひらかれた.参加者のなかに保健婦がきわめて多数みられたのは"保健所の基本的矛盾"にもよるのであろうか."国の保健財政の分析からみた保健所問題"にも報告されているように,低医療費政策ととかく批判のまとになる医療関係費ののびに比較してさえ,まったく横ばいを続ける保健財政から明確にされた保健行政に対する国の姿勢.その行政下にあえぐ保健所を母体とする彼女たちの敏感な嗅覚によって,保健所行政の再検討が繰り返されても,現実的に好転するきざしがみえるどころか,かえってじり貧になる保健所業務のなかに,何らかの歯止めを求めていることの証拠でもあろう.
 第一線保健婦の手になる東京都心の"ふきだまり"に発生する事例の数々は,今後予算,人員,業務量の板ばさみになっていよいよ深刻さを加える大都会の保健問題への大きな警鐘であると共に,健康を守る立場に立つ第一線保健所の必要性,都会における保健婦活動のあり方,都市型保健所の方向を改めて考えさせられるのである.日本一暑い名古屋,その"伊勢の夕凪ぎ"文字通りうだるような部屋に,50人からの参集した人々が汗をたらしながらの自由集会"革新首長下における保健行政をめぐって".

学会印象記

第16回国際労働衛生会議の意義と成果

著者: 久保田重孝

ページ範囲:P.704 - P.705

始めてのアジア開催
 国際労働衛生会議が本年9月22日〜27日の1週間,上野の文化会館を中心に開催された.
 この会議は1906年にはじまり,以後大戦中を除き約3年ごとに開催され,今回は第16回に当たるという歴史と伝統を持つ会議である.(表1)現在の会長はスェーデンの国立労働衛生研究所長のDr.Sven Forssman,Secretary Generalは,イタリーの労働病院長のDr.Enrico C.Viglianiである.

すばらしかった産業保健婦部会—第16回 国際労働衛生会議から

著者: 前田アヤ

ページ範囲:P.706 - P.707

始めて加えられた産業保健婦部会
 9月22日から9月27日までの日程で開催された国際労働衛生会議は,今日までに世界各国で会議が開かれていることから,かなりの歴史をもった会議であることがわかる(44ページ表1参照).
 この国際会議に,本年始めて産業看護婦(日本ではこれまで事業所保健婦と称している)の部会が加えられたのである.外国では,産業看護婦(Industrial Nurse)といって,工場その他の事業所,病院などの健康管理部門や,診療所勤務の看護婦を全て包含していることがわかった.救急処置をしたり,健康相談をしたり,環境衛生,作業状況などの視察など,非常に幅広い分野を担当しているようである.英国からこの会議に参加するため来日した看護婦が,私にきつい言葉で質問をしてきた."私は東京である事業所を見学した.そこに働いていた看護婦さんは,この会議のことについて何も知らなかった.どうしてか"と,会の準備をしている人が,看護婦には何も連絡報告しないかのようなつめよりかたであった.日本産業保健活動に参加している看護婦,保健婦の現状を説明したが,なかなか納得はできなかったようである.

研究 第2回日本都市医学会総会 パネルディスカッション

労働と母子衛生

著者: 関闡 ,   山下章 ,   武村晴正 ,   小池正英

ページ範囲:P.708 - P.713

 本日パネルとして"労働と母子衛生"を選ばれたのは,都市医学上勤労婦人に関する問題が重要な課題の1つであるためであろうと考えます.したがって,題は"母子衛生"とありますが,本日は母性衛生,ことに勤労妊婦についての調査研究を主体として3講師に発表していただきます.

資料

腸チフス・パラチフス管理報告—1968年の患者発生状況と分離菌株のファージ型別の結果から

ページ範囲:P.714 - P.718

 1968年は腸チフス・パラチフスの中央管理の運営が始められて2年目にあたる.以下,同年の腸チフス・パラチフス発生状況を発生報告カードの内容と,分離菌株のファージ型別の結果から分析し,合わせてこのシステムの運営状況を述べる.

厚生だより

国際検疫について

著者:

ページ範囲:P.719 - P.719

国際検疫の目的
 検疫とは検疫伝染病(ペスト,コレラ,発疹チフス,痘そう,黄熱および回帰熱)その他の重要伝染病が国際交通によって蔓延するのを防止するための業務をいうが,これを行なうにあたって,ある場合は厳しすぎて国際交通を阻害し,ある場合は甘すぎて疾病や媒介体の蔓延を阻止しえないというように,時によってあるいは国によってまちまちな態度をとったのでは,無用の混乱を招来するばかりでなく検疫の目的も達することはできない.
 これには,国際的な基準によって世界各国が統一された措置をとることが必要であり,WHOは1951年それまで行なわれていた多くの条約や取りきめを合理的に単一化した"国際衛生視則"を採択した.

北から南から 札幌市

北海道結核予防婦人団体幹部講習会を終えて/へき地の保健衛生調査—岐阜女短大などの学術班がはじめる

著者:

ページ範囲:P.676 - P.676

 第2回北海道結核予防婦人団体幹部講習会が,9月24日から26日までの3日間,北海道のほぼ中央に位する美瑛町白金温泉国立大雪青年の家に240名の受講者が参集して盛大に開催された.青年の家は雄蜂十勝岳を頭上に仰ぎ,原始的な大樹林を背景とし,真赤な屋根の近代建築が,これに映えて美しい.参加者は,まずレントゲン写真の撮影を済ませたあと,開講式にのぞむことによってはじまった.2泊3日の講習会は,結核についての講義が中心となって行なわれたが,青年の家の所長,寺門職員による講話,レクリエーション,話し合いの時間などが組み合わされていたので,難しいと考えられていた結核の知識も,かなり理解されたようである.
 結核についての講義は,厚生省結核予防課長の百井一郎氏,結研の今村昌耕氏,高井鐐二氏,道衛生部保健予防課長の兵藤矩夫氏,結核予防会北海道支部の宮城行雄氏らで,それぞれ結核の現状と対策,病理から予防や治療について,専門的な立場から指導が行なわれた.また青年の家所長の花岡博氏,事業課長の黒沼友一氏の講話は,それぞれユーモアもあり,大変面白く,有益であった.旭川市衛生部長の勝俣哲夫氏は,結核予防婦人組織が結成されている地区と未結成地区との一般住民検診率の差がいかに大きいかを説明された.管内の具体的実例であるだけ,組織結成の必要性を参加者一同が痛切に感じたのである.

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基本情報

公衆衛生

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1170

印刷版ISSN 0368-5187

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