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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生33巻12号

1969年12月発行

文献概要

特集 第10回社会医学研究会 主題

住民の健康を守る運動(3)—住民運動と科学者の役割

著者: 井上俊1 大川博徳2 竹内宏一3

所属機関: 1名大・衛生学 2名大・公衆衛生 3岐阜大,衛生学

ページ範囲:P.683 - P.686

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 公害は年々拡大の一途を辿っている.公害対策は国あるいは地方自治体の行政の問題であるが,経済優先の現在の政策の中では,たとえ役所に公害課ができても公害部ができても,それだけでとうてい公害が片づくものではない.法律もできてはきたが,ほとんどの法律は経済との調和をうたっており,公害をなくすということを強く規定してはいない.したがって,経済が発展すれば公害もまた拡大する理屈である.そして"公害は必要悪"という言葉さえ出てきている.それを裏書きして,日本の経済成長とともに公害は拡大の一途を辿っているのである.
 このような体制の中で,被害者である住民の運動のみが局地的にいくつかの公害問題を解決している.今の体制下で住民運動なしに公害の解決があり得ないことは,行政当局者自身も認めているところである.しかし一方,住民は公害に対して十分な科学的知識を持ち合わせていない.そこで公害防止のためには,住民の側にたって果たす科学者の役割がきわめて重要だということになる.この問題に関して大川,竹内両氏の報告をもとに活発な議論が展開された.まず,両氏の報告を紹介しよう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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