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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生33巻3号

1969年03月発行

特集 循環器疾患管理

秋田の脳卒中—大阪における成績と対比して

著者: 小町喜男1 飯田稔1 島本喬1 近山行夫1 富永祐民1 高橋弘1 小西正光1 瀬尾忠子1 小沢秀樹2 児島三郎3 児玉栄一郎4 今村久吉郎5

所属機関: 1大阪成人病センター 2厚生省公衆衛生局 3群馬県藤岡保健所 4秋田県衛生科学研究所 5秋田県五城目保健所

ページ範囲:P.143 - P.147

文献概要

はじめに
 脳卒中がわが国の死因の第1を占めることは,あまねく知れ渡ったことである.それにもかかわらず,国をあげてこの対策に取り組もうとする動きが鈍いのはなぜだろう.人によって,その理由はいろいろあげられている.いわく,癌に比し,疾病の恐怖感が少ない.じわじわと攻めよせる癌に比べて,瞬間的に勝負のつく脳卒中は,いさぎよくてわが国の国民性にも似かよい,こわさよりもいさぎよさを感じるという.しかし,私はそうは思わない.突発的に起こるので,後に残された人々の生活や仕事に関して具体的な指示が与えられず,非常に困る場合が多い.また瞬間的に決着のつく病気かというと逆にそうでない場合も多い.10年あるいはそれ以上,臥床している人,日常生活の不自由な人がたくさん存在している事実をなんとみるか.
 先にのべたいさぎよい病気などというのは,真にこの病気のこわさを知らない人の言い分ではないだろうか.私は,脳卒中が大きく取り上げられないのは,この病気の多発する地区が大都会ではなくて,むしろどちらかといえば農村に多い傾向のあることが,その最大の理由ではないかと思っている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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