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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生33巻5号

1969年05月発行

文献概要

特集 外因死の予防

農村における事故防止

著者: 松島松翠1

所属機関: 1佐久総合病院健康管理部

ページ範囲:P.259 - P.263

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はじめに
 最近農村においては事故や災害が急激に増加している.事故死の割合も,脳卒中や心疾患などの成人病についで多くなっている.これは,農村においても自動車が著しく普及し,それによる事故が増加してきたこと,また農作業の近代化にともなって,動力農機具や農薬が非常に多く使われるようになり,機械による災害や農薬事故が増加してきたことが大きな原因となっている.とくに後者は,近年著しく増加する傾向を示している.
 農村における災害は,大きく分けてせまい意味の"農村災害"と,もう1つ"農業災害"との2つに分けられる.農村災害というのは,現在農村に住んでいる人の一般的な災害であって交通事故や子供の溺死などが合まれる.また農業災害は,農業に従事している人に起こる災害であって,作業中に墜落したとか,農業機械による災害や農薬中毒などの場合である.しかし,農業従事者といっても,工場労働と異なって農業の場合には,農繁期の最中になれば,農家の子供や老人までもかり出されて働かされるのが普通である.したがって農業従事者の範囲は相当広くとらなければならないであろう.また農業災害の発生場所も,必ずしも農耕地における災害だけとは限らない.それは農場へ通ずる道路上においても,また農家の庭先における農機具の準備中においても起こりうる.耕耘機による交通事故,転落事故も増加しつつあるが,これらも広い意味では農業災害の中へ入れなければならないであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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