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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生33巻7号

1969年07月発行

文献概要

主張

環境衛生からみた都市問題

著者: 左合正雄1

所属機関: 1都立大・工学部

ページ範囲:P.370 - P.371

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まえがき
 わが国は明治以後農業国から工業国に脱皮し,世界の人々が驚くほど急速な発展を遂げてきた.その結果,城下町は商業都市へ,農村は工業都市へ変貌し,近代都市に必要な施設を整備しないまま膨張し,交通の混乱や公害の発生に当面している.
 荷車や人力車の通っていた道に大型のバスやトラックが走り,タクシーや自家用車があふれ,交通事故が頻発し,沿道の人々は振動や騒音・排気ガスに悩まされている.通勤通学者はラッシュアワーの雑沓に心身をすりへらしている.自動車交通を緩和するため都内に高速道路や歩道橋がつくられている.高速道路はもともと都市間の交通に用いられるものであって,こんなものをつくらなければ都内の交通を緩和できないほど都市が大きくなり,自動車が増加することに問題がある.バスや業務用のトラック,タクシーは別として,不必要な自家用車は制限すべきであろう.自動車の交通量が多い所に歩道橋を設けるのはやむをえないとしても,地元民や歩行者にとっては迷惑千万である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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