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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生33巻8号

1969年08月発行

文献概要

特別連載

米国における保健医療体系の苦悩ならびに医師・歯科医師・看護婦の深刻な不足とその対策

著者: 館正知1 石戸利貞2 高橋英勝3

所属機関: 1岐阜大・公衆衛生 2岐阜県衛生部 3岐阜県郡上保健所予防課

ページ範囲:P.468 - P.471

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第III章 保健医療体系を改善すること
 保健医療の需要およびそれに応ずる財源の配分は,医療を提供する体系によって大きく左右される.この体系を改善することによって,不必要に財源を要するような医療需要を減少させることができ,他の必要な需要をみたすための財源を増加させることができる.
 体系(System)という用語を使うことは,本当は,誤解を招くおそれがある.なぜならば,それは,保健医療活動のすべてを含む1つの組織があって,それが,総合調整された1単位として,働いていることを意味するからである.現実の保健医療は,多くの,しかも,あるものは互いに全く関連を持たないような,十分に統制のとれていない,サブシステム(Subsystems)によって行なわれるという特性を持っている.だれでもが,個人的な医師を持ち,その医師が,うまく組織づくられた保健医療体系の受け入れ口となってくれ,しかも,すべての医師が,病院,ナーシングホーム,あるいは紹介をうける専門医などの医療各要素と適切な接触を保つようにすることが,理想的なアレンジメントであるが,これは必ずしも実現されていない.患者を直接診療する26万人の医師のうち,16万人は,実質上,単独開業医であり,相互間の紹介網は緊密ではない.今なお,家族ぐるみの医療を行なう一般医は,これらオフィス開業医の1/3にすぎず,しかも前述のごとく,今日,医学校を卒業する者で,一般医になるのは2%弱にすぎない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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