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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生33巻9号

1969年09月発行

文献概要

主張

性教育と性病予防

著者: 木下正一1

所属機関: 1賛育会病院

ページ範囲:P.486 - P.489

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性の問題は人間—生涯の問題である
 男が生まれたか? 女が生まれたか? 誰でも出産のしらせをきくと,第一に尋ねるのは,赤ちゃんの性別がどちらかということである.それほど,これは人々の関心事なのである.それというのは,男か女かということが,その子のこれからの人生行路に,どうしても何か宿命的な色彩を予想させないではおかぬからであろう.
 ところが,男女の性別は実は出産以前からすでにきまっているのである.赤ちゃんはすでに決まった性を生まれもって,この世に人生の第一歩をふみだすのである.もちろん,赤ちゃんや幼児は,自分の性別なんか一向無関心でただひたむきに日々成長していくのである.しかし大人たちが放っておかないのである.たとえば,名前のつけかた,衣類の着せかたなど何からなにまでその子の性別を意識して育てはじめるのである.まったく白紙のような赤ちゃんの心身には,いつのまにか,いやおうなしに性別の意識が染みついてしまうのである.(私は,こうして赤ちゃんのころから広い意味の性教育--男女のしつけ--がはじまっているのだと考えたい.)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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