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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生33巻9号

1969年09月発行

文献概要

特集 性病

性病の予防と治療

著者: 小野田洋一1

所属機関: 1都立台東病院性病科

ページ範囲:P.511 - P.514

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はじめに
 性病は別表のような病原菌からおきる法律に規制された伝染病である.伝染病ならばその対策を立てることは簡単なようであるが,その伝染のしかたが直接人から人へ,悪いことに男性または女性個人から異性の個人へ,その人の秘密とされている性行為によって伝染するために事実がかくされたり,治療の時期を失したりするので防疫の実が上がらないことが多い.
 人類の繁殖を阻害し人類を破滅に追いこむ亡国病として恐れられていた性病も,その治療に画期的な治効を示す抗生物質が用いられるようになって急激に患者が減少し,それほど恐ろしいものと考えなくなった風潮がかえって災いし,性病の知識がうすれ,性病が絶滅しない状態を作っているとWHOも指摘している.以前は国内でも全般的に蔓延し,20%前後の蔓延率だった淋病や梅毒も現在は1/10に減少しているが,0に達するにはまだ遠く,かえって再流行まで見られる状態である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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