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研究
京都市に発生した腸チフス多発例について
著者: 腸チフス中央調査委員会
所属機関:
ページ範囲:P.534 - P.537
文献購入ページに移動昭和43年3月12日,腸チフス中央委員会は,京都市上京区を住所とする腸チフス患者が,この1ヵ月程の間に,11件を数えているのを問題とした.
発生報告によると,男子3名(12歳,15歳,58歳),女子8名(14歳2名,他は家庭の主婦層と考える)で,その内容から,
1.この多発は,家庭内伝播によるものと考えられない.
2.昼間,家庭にいるものが食べるものに汚染の疑いがもてる.
3.小児が少ないのは,世帯内小児数が少ないという推定より,小児用食品でないと考えた方がよい.
4.この状況では,昼食用飲食物,たとえばてんやものなどを中心として,汚染が続き,患者の増加の気配がある.
と結論し,現地に連絡,その調査と万全の対策を依頼した.すでに,この時点で,現地では対策中であった.
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