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講座 地域保健活動・4
自主的活動に支えられた地域保健活動—岡山県山陽町
著者: 園田恭一1
所属機関: 1東京大学保健学科保健社会学
ページ範囲:P.618 - P.622
文献購入ページに移動岡山県山陽町は岡山市の東北約10キロの位置にあり,そして全戸数の75%程度が農家という都市近郊農村である.今日の山陽町は,昭和28年に,旧高陽,西山,高月(一部落を除く)の3村が合併して成立した.
44年4月1日現在の世帯数は1906戸,人口は7975人であるが,ここ数年間の動きをみると,人口は減少し,戸数は増加するという傾向が示されており,また岡山行きバスが1日60往復も出ているという地域的環境もあって都市化の趨勢は著しいものがある.そして,この地域にさらに大きな変動をもたらす要因として考えられるのが,これまでの町の世帯数や人口を上廻る3000戸の住宅に1万〜1万2千人を収容するという県下最大のマンモス団地が県営住宅団地造成計画として今後6カ年のうちに作られようとしているということなのである.これらは,農村的基盤のうえになりたってきた,これまでの山陽町の地域保健活動の態勢にとっても大きな問題を投げかけることになると思われる.
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