icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生34巻2号

1970年02月発行

文献概要

人とことば

留学当時

著者: 緒方益雄1

所属機関: 1岡山大

ページ範囲:P.69 - P.69

文献購入ページに移動
 私がベルリンの衛生学教室に留学した当時は,第一次大戦後でまだドイツは戦後困難の時で,石原房雄先生の紹介で入室でき矢崎慈大名誉教授もすでにHahn教授の指導で研究されていた.以来45年も経過したが,お二人とも元気で,なお学界のために研究しておられる.当時を思い出しながら教室の模様をご参考までに申し上げる.
 教室は有名なブランデンブルグ門の近くでドルテーン街にあり,医学部に属しているよりは,独立の研究所といった方が当てはまる.会計も講義も独立しているのが日本と違っている.所長はHahn教授で,細菌と血清学,私の先生は環境衛生のKorff-Petersen教授,他に細菌と皮膚温のHeymann教授,社会衛生のGroszean教授とOlsen講師とが主なStaffで,学生は自由に好きな講義を聞いて単位を取り国家試験を受け,一人前の医師となり6カ月自分の好きな基礎の教室で仕事をして発表すれば"ドクトル"の称号を与えられる.当時,研究所には留学生として中国人,南米人と集まり戦後とは思えぬ盛んな教室であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら