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流行病調査演習の一事例—特に保健所における情報の収集と処理を中心にして
著者: 谷修一1 林忠1 高島剛次1 堀川彰臣1 秋葉保忠2
所属機関: 1千葉県松尾保健所 2千葉県佐原保健所
ページ範囲:P.127 - P.131
文献購入ページに移動近年わが国の消化器系伝染病は減少の一途をたどっており,保健所における伝染病予防事業も一時の防疫活動主体のものから,予防接種指導や集団施設における保菌者検索が主たる業務となってきている.しかし一方では,赤痢・食中毒の集団発生はたえずどこかでおこっており,当保健所管内でも43年6月某中学において,水道水による病原性大腸菌中毒の事例(患者351人)を経験した.当所ではこの事件以後,防疫に関する訓練の必要性を再認識し関係職員相互で学習してきたが,疫学関係の図書などに書かれている事例は,すでに各調査をしたあとの資料の解析が主な内容となっている.しかし保健所における防疫活動では,職員の動き方,情報の収集の仕方,そしてその情報を解析した上での行動の決定,という問題解決の過程全体について把握が必要である.その意味では,各調査項目の罹列ではなく,各調査の順位づけ,重みづけが必要だし,また各種情報と実際の行動(対策)との結びつきを把握することが必要だと考えられる.当所における関係職員の話しあいの中では,実際に経験した事例について,それを問答形式にあらため討論の資料としてみた.これはその1例である.
事件発生地の概況 K村は純農山村で人口約12000,T地区はK村の中央部に位し人口1805(367世帯),80%以上が農業である.
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