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特別連載
米国における保健医療体系の苦悩ならびに医師・歯科医師・看護婦の深刻な不足とその対策
著者: 館正知1 石戸利貞2 高橋英勝3
所属機関: 1岐阜大・公衆衛生 2岐阜県衛生部 3岐阜県郡上保健所予防課
ページ範囲:P.179 - P.183
文献購入ページに移動本報告で論じた重大問題の多くは,医療を提供する多数の異なった要素について,組織的体制(organizational framework)が欠けているために起こっている.それらの間には,緊密な協力と調整がほとんどなく,重複した努力がなされ,現実的衝突がごく普通である.不幸なことに,保健医療の消費者には,市場経営が効果的に行なわれているかどうかを確かめるだけの十分な判断をすることができないし,また,大部分の保健専門技術者の責任感は,個々の患者に対する関心という形をとるが,社会全体に対しては希薄である.その結果,保健医療の資源を効果的に調整して,最も有用な場所に確実に適用する努力に乏しい.
現代医療は非常に複雑であるにもかかわらず,独立の開業医と施設が相変わらずはばをきかせている.個人開業が医学の分野に存続するのは,医師と患者の両者に魅力のある特色を持つためである.独立開業の利点を認めるのにやぶさかではないが,われわれの懸念は,それに関連するいくつかの欠点に関してである.すなわち,開業医と施設の間の,連絡,調整,および統制が不十分なため,医療費が膨張すると同時に,質と分布のギャップをきたしている.
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