icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生34巻5号

1970年05月発行

文献概要

特集 勤労婦人の保健

勤労婦人の健康障害と問題点

著者: 山下章1

所属機関: 1日本橋保健所

ページ範囲:P.264 - P.269

文献購入ページに移動
母性保健と勤労婦人
 もともと,母性というのは,女性の一部分や一時期をさすものではなく,むしろ女性そのものが母性に通ずると解すべきである.女児が成長するにつれて,女らしくなり,女性として成熟し,結婚し出産して母となる.みずからの子を育て終えると,さらに孫の世話をする.女性の一生は,母であることに終始しているといってよい.
 しかしながら,なんといっても母性の第1の使命は,妊娠,分娩,そして育児であるといってよい.母子保健法の第2条にも"母性は,すべての児童がすこやかに生まれ,かつ,育てられる基盤であることにかんがみ,尊重され,かつ,保護されなければならない"と述べられている.したがって,母性の健康は,ひとり女性自身のしあわせのためばかりではない.健康な子を出産するためには,結婚前からこの使命に耐えうるに十分な,余裕のある高い健康度をつくりあげ,保持していなければならない.また,妊娠中の母体の健康に障害があれば,妊婦自身の生命をおびやかされるだけでなく,胎児の健康もおかされ,流産,死産早産,それに先天性障害や奇型の原因にもなるだろうことが推察される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら