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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生34巻7号

1970年07月発行

文献概要

厚生だより

BCG接種定期化に関する研究について

著者:

所属機関:

ページ範囲:P.447 - P.447

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 BCG接種が,結核発病ならびに結核死亡の防止に極めて大きな効果をあげていることは明らかであり,実際,わが国では広範囲に行なわれ,結核予防に対する貢献は大きなものであった.最近BCGの阻止効果がかなり長期にわたって持続するものであることが次第に明らかにされつつあり,英国医学研究協議会から発表されたものがその代表的なものであり,現在欧州各国においても定期接種が行なわれている.このようにBCGの発病阻止効果が,ツベルクリン・アレルギーのいかんにかかわらず,長期間持続するものであれば,BCG接種は定期化することが可能になる.わが国のBCG接種は,現在全国民(一般住民については29歳以下)を対象にツベルクリン反応検査陰性・疑陽性のものに対して毎年実施されているが,定期接種化されると,BCGの免疫効果の持続期間にあわせて,接種年齢や接種間隔などをきめて接種されることになる.すなわち現在の予防接種法に規定されている定期予防接種(種痘,ジフテリア予防接種など)と同じ考え方になる.BCG接種定期化の利点と考えられるのは,結核予防事業の効率化ということである.接種対象者の年齢がしぼられることにより,接種の重点化が行なわれ,現在のように29歳以下の全員を対象とするよりははるかに有効な接種計画が立てられ,接種率は向上し,免疫持続期間内の再接種がなくなり,結核予防の効率が促進されることは明らかである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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