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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生34巻9号

1970年09月発行

文献概要

資料

老人のケアーに関する事例調査と考察

著者: 阿武喜久子15 山下祥子16 滝浪智子17 山本聡代18 宇都野澄子19 柵原節子110 小曽根絢子111 中村伊美子112 和田邦子113 町本昭成214 山名文子215 稲垣隆司316 小林亨祐317 小野恵418

所属機関: 1国立公衆衛生院専攻課程看護学科 2国立公衆衛生院専攻課程環境衛生学科 3国立公衆衛生院専攻課程衛生教育学科 4国立公衆衛生院専攻課程医学科 5国立京都病院 6香川県立中央病院 7福島県保原保健所 8高知県立保健婦専門学院 9茨城県立看護専門学校 10琉球政府立那覇病院 11群馬県立保健婦学院 12東京都小石川保健所 13岐阜県看護専門学院 14海上自衛隊徳島衛生隊 15東京都調布市役所 16愛知県衛生部 17埼玉県秩父保健所 18東京女子医科大学衛生学教室

ページ範囲:P.556 - P.562

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はじめに
 わが国の人口構造は,少産少死という先進国形態へ移行するに伴ない,急速に老齢化した.その結果65歳以上の人口が全人口に占める割合は昭和30年5.3%,40年6.3%から50年には7.9%,70年には12%前後になると推計されている1).さらに国民の生活様式の変革と向上および人口の都市集中,工業化の進展は核家族化を助長し,高齢者世帯が最近の10年余で2倍以上に増加した2).他方,公衆衛生の向上や抗生物質などの技術開発により死亡率は逐次低下し,昭和42年には訂正死亡率5.4となって世界でも低いグループに仲間入りした.これにしたがい,平均寿命も徐々に伸びて,昭和42年には男子68.9歳,女子74.2歳3)と欧米諸国の水準に達した.死因についても感染症などに代わって,いわゆる成人病に起因する死亡が高位にとどまって動かないこと,これは老人がなんらかの疾病をもったまま生活しているのではないかと想像される.
 昭和44年度厚生白書に指摘されているように,1970年代に向かう国家の新しい課題としても経済成長に取残されがちな階層,とくに高齢者が生きがいのある余生を送るための施策が,国家の繁栄への大きな条件の1つとして人間尊重の立場からも強調されなければならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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