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婦人労働(5)
著者: 嶋津千利世1 原田二郎2
所属機関: 1群馬大学教育学部 2杉野学園女子大学短期大学部
ページ範囲:P.623 - P.626
文献購入ページに移動マニュファクチュア時代の機織り下女は奴隷であった,というみかたがうまれるほどその労働は苛酷であり,門から外へでてはいけない,などといった拘束的な束縛もつよかった.しかし,そのような制約をこえない日常生活では,牧歌的な側面もあった.たとえば,さきにみた『嘉永5年8月奉公人召抱及待遇に関する機屋取究』にはつぎのような文字がみえる.
一.唄ハ,厳敷差留ハ不レ致,不二耳立一よふ,小声ニ唄可レ申.村内之者,主人之噂,下がかり,其外,聞きにくき唄決而不二相成一……仕事に,実の入節ハ,唄所ニてハなし.……唄を唄ねハ,寝むく成の,あきるのと云ハ,仕事ニ身の入さると心得べし.……
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