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特集 重症心身障害
わが国における重症心身障害児対策
著者: 佃篤彦1
所属機関: 1厚生省公衆衛生局
ページ範囲:P.682 - P.685
文献購入ページに移動児童福祉法は重症心身障害児施設を「重度の精神薄弱および重度の肢体不自由が重複している児童を入所させて,これを保護するとともに,治療および日常生活の指導をすることを目的とする施設」として規定している.ここで,重度の意味が問題になるが,重度精神薄弱児については昭和39年3月に出された厚生事務次官通知「重度精神薄弱児収容棟の設置について」に,また重度肢体不自由児については,昭和39年9月の厚生省児童家庭局長通知「肢体不自由児施設重度棟の設備および運営の基準について」に示されている重度棟対象児童の規定が参考になる.
これによると,重度精神薄弱児とは,知能指数がおおむね35以下で食事,着脱衣,排便および洗面などの日常生活の介助を必要とし,社会生活への適応が著しく困難であるか,頻繁なてんかん様発作または失禁,異食,興奮,寡動その他の問題行動を有し,監護を必要とするものとなっており,一方,重度肢体不自由児とは,各種補装具を用いても,身体の移動が困難なもの,もしくは,機能障害が重度であって,食事,洗面,排泄および衣服の着脱などの日常生活動作の大部分に介助を必要とする肢体不自由児となっている.
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