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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生35巻11号

1971年11月発行

文献概要

研究

わが国衛生工学の恩人W.K.バルトンのこと—明治水道史余聞

著者: 武内博

所属機関:

ページ範囲:P.703 - P.705

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 わが国最初の衛生工学の講義は1887年東京帝国大学工科大学においてイギリス人William Kinnimond Burton(1856〜1899)によって行なわれた.彼は1887年8月に来日してから1896年までの9年間工科大学に在職し主として上下水道関係の講義を週5時問行なったといわれている.
 バルトンの招聘に当っては内務省衛生局長であった長与専斎と工科大学長古市公威の尽力によるところが大であった.1884年内務書記官の永井久一郎(作家の永井荷風の父)はロンドンで開催された万国衛生博覧会に日本政府代表として出席し,ついでヨーロッパ各地の衛生事情を詳しく視察した.永井はロンドン滞在中バルトンと知り合い帰国するや上司の衛生局長長与専斎に彼の招聘方を進言した.こうしてわが国最初の衛生工学の教師としてバルトンの上に白羽の矢が立ち1887年8月来日の運びとなり工科大学の講座新設に伴ない講師に就任した.この間の事情について長与専斎は次のように述べている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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