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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生35巻12号

1971年12月発行

文献概要

発言あり

保険医総辞退以後

著者:

所属機関:

ページ範囲:P.709 - P.711

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誰のために
 医療費が絶対的にも相対的にも高くなってきたのはわが国だけのことではないようだ.先頃,その医療費の負担制度として全国民をその中に包み込んでいた皆保険制度の破綻が日本医師会員の保険医総辞退という局面を招いた.その時多くの議論があったし,その収拾も異例のテレビ対談に彩られはしたが,どうも国民にとっては難解なまま,保険医療費の値上げ,つまり保険料の値上げで一段落となりそうな気配である.
 しかしそれで問題は忘れてしまってもいいくらいに解決するのだろうか.よほどの楽観論者でない限りそうは思うまい.それほどにわが国の医療制度と健康保険制度の持ちこしてきた矛盾は大きく,さらにかつての大学騒動の発端が医学部にあったことを思えば,医者を含めて「医」そのものと変動する社会とのギャップは広く,これをウヤムヤにしておくことは,結局は国民を不幸にすることになるだろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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