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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生35巻2号

1971年02月発行

文献概要

特集 沖縄の公衆衛生活動

沖縄の公衆衛生の展望

著者: 伊波茂雄1

所属機関: 1琉球政府厚生局公衆衛生局

ページ範囲:P.107 - P.116

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行政
 1.琉球政府と市町村
 沖縄は米国の統治下にあったので衛生行政は当然のことながら米国の影響を受けて発達してきた.しかし貧弱な風土であるため,その影響はあくまでも沖縄現地での現実に即した米軍人の考えに基づく指導と命令というかたちであって,米国の公衆衛生のシステムを真似たという意味ではない.
 終戦直後,廃虚と化した沖縄へ,海外からの引揚者が相ついで帰還して人口は増加し,食糧事情の悪化に伴なう栄養不良状態の増加,環境衛生の悪化,昆虫の繁殖などによって,マラリア,フィラリア,結核,日本脳炎などの伝染病は流行して死亡が増加した.そこで,占領軍が真先に実施したことは昆虫駆除業務と,疾病対策である.そのために無政府状態にあった1946年当時,地区衛生課と地区病院が設立されてそれぞれの業務を開始した.当時は全医師は個人開業は認められず病院勤務を命ぜられ,あたかも医療公営のごときものであった.この2つの組織が後日,政府立保健所および病院の母体となったのである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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