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原著
胃集団検診における胃ガンの追跡調査
著者: 有賀徹1 高橋淳2 唐沢徹2
所属機関: 1日本大学医学部公衆衛生学教室 2日本大学医学部有賀内科学教室
ページ範囲:P.185 - P.190
文献購入ページに移動わが国の胃ガンは死亡統計より検討すると全ガン中における比率は男子では約50%,女子でも約1/3をしめている.したがって欧米各国と異なりわが国のガン対策の焦点は当然胃ガンにしぼられるのであって,そのために全国的に胃ガンの集団検診が近年活発になってきた.しかし胃ガンの集団検診の実施に当っては今日なおいろいろな問題点が残っている.例えばスクリーニング方式ひとつをとってみてもその方法,判定基準などについて未だ確立された基準がないような現状である.
したがってかかる現状から考えてみると未だわが国の胃ガン対策はその疾患発見のレベルを脱していない感がするのである.一般に疾病の管理に当ってはまず第一にその疾病の発生を未然に防ぐ対策が考えられ,この具体的な方策としては衛生教育などを中心とした健康増進運動(Health promotion)があげられるであろう.ついで疾病の早期発見,早期治療が考えられ,さらに第三次的な管理方法として発見疾患の重症化防止,リハビリテーションなどが考えられてくるのである.疾患の早期発見に当っては集団検診が非常に効果的であることは,われわれはすでに過去における結核の管理において経験したところである.
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