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発言あり
保健婦の医療行為
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ページ範囲:P.325 - P.327
文献購入ページに移動無医地区問題,僻地医療の問題は,現在の国民医療の問題のなかで深刻である.それは,現在の医療制度の欠陥から生じたヒズミでもある.無医地区問題解消のための保健婦設置の動きがあるが,これは,安上がりに無医地区の問題を保健婦に肩代りさせる手段であり,それが保健婦の医療行為につながるのではないかとの懸念がある.保健婦は医師の肩がわりではないし,僻地や離島に行かない医師そのものに問題がある.その原因は,政治の貧困であり,行政の問題であり,また現在までの封建的な医学教育の結果でもあるとの意見が多い.この意見には全く同感である.しかし現実は,医師のいない離島や僻地に生活をしている人たちがいるのである.この事実をどのように,医療従事者は受け止めるべきであろうか.僻地に生活をしているもので,こうした評論家的な意見を聞くことで満足している人は1人もいない.医療が現実の生活のなかに導入されない限り,医師も保健婦も,我々の健康問題とは縁遠い職種であるとの考えを深くするだけである.また一面,無医地区同様,全国には約20%の保健婦未設置村がある.このほとんどは僻地や離島が多く,さらに財政規模の微弱な村のみである.こうした僻地や離島には保健婦業務は不必要であろうか.
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