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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生35巻7号

1971年07月発行

文献概要

発言あり

保健行政における住民参加

著者: 赤星一郎1 青山英康2 石田宗治3 金子光4 仲村優一5

所属機関: 1九州中央病院 2岡山大学衛生学 3石川県衛生部 4元東京大学保健学科 5社会事業大学

ページ範囲:P.389 - P.391

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参加可能の形態は住民運動
 住民参加ということばは,当世流にいえばいわゆる「カッコいい」ことばのひとつである.カッコいいことばは,とかく内容を伴なわないままで空虚なスローガンと化する危険性を常に内蔵している.「福祉国家の確立」,「社会保障の充実」等々,みんな同じことである.そのことば自体が繰りかえしお題目のように唱えられただけで,何か効能があったかの錯覚をおこさせるのである.
 しかし,他人事としてではなく,私という他ならぬひとりの住民が,私の住んでいる地域社会での保健行政との関係で,住民としてそれに参加するとはどういうことなのかと考えてみると,これほどわからないことはないし,これほど実体のない概念はないことに気がつく.住民参加ということばは,ひょっとすると,住民不参加にベールをかぶせるための合理化の手段でしかありえないかもしれないのである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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