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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生36巻5号

1972年05月発行

文献概要

発言あり

健康増進

著者:

所属機関:

ページ範囲:P.279 - P.281

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健康増進のための研究をさかんに
 最近,大きな事業所には,センパワーセンター,健康開発センターなどを設けるところが増えてきている.もともと,公衆衛生の終局の目標は,ひとびとを病気にかからないようにする,というのではなく,より健康な毎日を享受できるようにすることにあるのだから,健康を増進させようとするこのごろの風潮は好ましいことに違いない.
 しかし,具体的にどう健康増進させたらよいのかということになると,公衆衛生が案外無力であることに気づくのである.毎日の食物組成はどうあらねばならないのか,いわゆる体力づくりのための鍛錬はどうしたらよいのか,ミクロコスモスとしての衣服はどうあったらよいのか,日本人の快適作業温湿度はいくらで,季節によってどう調節したらよいのか,というような知識は,栄養,体操,家政,建築などの専門家の経験によるところ大で,深い研究はほとんどない有様である.公衆衛生という実践は厚い研究に支えられてこそ一層有用であり,実験室内の研究者にこの際,疾病防御の研究も大切であるが,健康増進のための研究に興味を持たれるよう訴えたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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