文献詳細
人にみる公衆衛生の歴史・14
文献概要
"性"の解放と公衆衛生学とは,一見つながりをもたないようにみえるかもしれない.しかし,"性"は自然現象としての一面をもつと同時に,すぐれて社会現象であり,その意味で,"性"の問題は,公衆衛生学の重要な課題でなくてはならないはずである.
ところで,"性"のもつ2つの側面をめぐって,体制側と人民の側では,きびしい対立抗争がつづけられてきた.今日,われわれが享受している"性"の自由も,この斗いを経てかちとられたものにほかならない.体制側は,"性"を自然現象(生殖・人口問題)の面からコントロールすると同時に社会現象(セックス)の面においても,抑圧・管理をおしすすめてきた.戦前における姦通罪,妾の公認,人工中絶の厳罰などはその一端を示している.
ところで,"性"のもつ2つの側面をめぐって,体制側と人民の側では,きびしい対立抗争がつづけられてきた.今日,われわれが享受している"性"の自由も,この斗いを経てかちとられたものにほかならない.体制側は,"性"を自然現象(生殖・人口問題)の面からコントロールすると同時に社会現象(セックス)の面においても,抑圧・管理をおしすすめてきた.戦前における姦通罪,妾の公認,人工中絶の厳罰などはその一端を示している.
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