icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生36巻7号

1972年07月発行

文献概要

教室めぐり・32 弘前大学公衆衛生学教室

"開かれた大学"の機能

著者: 臼谷三郎1

所属機関: 1弘前大学・公衆衛生学教室

ページ範囲:P.449 - P.449

文献購入ページに移動
 本講座は昭和34年4月に開設され,長崎大から中村正先生が着任され教室を主宰せられたが昭和42年8月,再び長崎大衛生学教室主任として転ぜられたため筆者が後任を命ぜられて現在にいたっている.
 開設当初は,いまだに笑い草になるのだが,市内の有名な文房具屋の店員が,請求伝票の宛先に"口臭衛生学様"と書いて持参したくらいだから,この方面の知識水準は推して知るべしであった.市民からは便所の汲取り依頼や鼡とりの相談をうけたりして奇談,珍談がたえなかったのである.さし当たり保健所の分家が大学にできたくらいにうけとられていたらしい.それが最近になると公害ブームのためか,保健所では納得のいく答がえられないからという前置きで,飲料水中のMnの意義や,残留農薬の許容量の算定方法などという高度な知識について問合せがくるようになった.世の進歩の速さに驚かされるとともに,日々に新たな情報を的確にとらえ,これを社会に還元しなければならない責務を痛感させられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら