文献詳細
日本列島
文献概要
沖縄におけるワイル病の発生は,戦後2〜3年ごとに1例の届出がなされでいるが,1967年には4例の届出があり,しかもそのうち3例は沖縄本島西北海岸の沖合いにある伊是名島で発生した.さらに同島からは68年,69年に各1例,70年に2例,71年に2例と引続き発生したので,琉球政府厚生局では,同島を主管する名護保健所,公害衛生研究所とともに,同島におけるワイル病の実態調査を行なった.同島は伊是名村一村からなり人口3279人758世帯で半農半漁,島内にはネズミが多く生息している.調査団は鼠族間のレプトスピラの浸淫度とともに,住民の血清学的調査も行なった.血清学的検査方法はSchuffner-Mochtar法に準じ,抗体価100倍以上を陽性とし,抗原は現地で捕獲した鼠より分離した株(L. pyrogenes-Izena株)を用い,その他,無作意抽出した426の血清については.L. pyro-Izenaのほか秋疫A,秋疫B秋疫C,L. canicola(Hond. Ut. Ⅳ),L. icterohaemorrhagiae(内田を用いて検索した.その結果(1)被検件数2385例についてみると,①L. pyrogenes(Izena)に対する陽性率は,37.6%.
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