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特集 法改正の動向
保安処分—歪められた公衆衛生活動の象徴
著者: 桑原治雄12
所属機関: 1京都大学医学部公衆衛生学教室 2三重県立高茶屋病院
ページ範囲:P.485 - P.488
文献購入ページに移動最終的にはA案にまとめたわけですが,犯人のすでに行なった行為が主たる根拠になるのではなく,将来の危険性が根拠となるものです.「精神障害者およびその疑いのある者で将来,罪を犯す惧れのある者」を社会の安全を保つために,裁判官の判断で法務省管轄の施設へ精神障害者の治療の名目で強制的に隔離収容しようとするものです.将来の危険性の予測については,保安処分に賛成している精神科医でも,精神障害者には犯罪者は多くない,再犯予測は今のところできないことを認めています.
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