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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生36巻8号

1972年08月発行

文献概要

特集 法改正の動向

公害の無過失賠償責任法—その意義と問題点

著者: 吉田克己1

所属機関: 1三重大学医学部公衆衛生学教室

ページ範囲:P.497 - P.499

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 公害の被害者の救済については,すでに『公害被害者救済法』があるが,この法律は,単に公害によって生じた疾患の医療費を救済するにすぎないものであり,その費用負担についても,企業負担はその1/2で,かつこの負担も直接公害と関係のない銀行などを含めた全企業が公害防止事業団に一定の割合で寄附を行ない,これを財源にするという,公害の責任論を完全にすりぬけた形のものであって,本質的に公害の賠償責任を定めたものであるとはいえない.このようにわが国では,公害問題の深刻化に伴ってそれによる幾多の損害を現実に生じているのであるが,それに対する責任の負い方というものがきわめて不徹底であり,しばしば大きな問題点となっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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