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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生36巻8号

1972年08月発行

文献概要

講座

生態学序論(1)—生態学とはどのような学問か

著者: 手塚泰彦1

所属機関: 1東京都立大学理学部

ページ範囲:P.521 - P.525

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はじめに
 われわれ人類が住むこの小惑星—地球—上に生命のきざしが現われはじめたのはいまから約30億年前のことであると推定されている.そのとき以来,生命の長い歴史がはじまる.原始生物は徐々に進化し,いろいろな種類へと分化するとともに,あるものは栄え,あるものは消え去った.しかし,この長い生命の歴史のなかで,われわれ人類の祖先,猿人がこの地上に姿をあらわしたのはいまから約100万年前,それから原人,旧人,新人を経て現生人類(Homo sapiens)が誕生したのはいまから約2万年前といわれている.
 人類は猿人段階ですでに礫器のような,素朴ではあるが,石の道具を作ったという.その道具でけものを狩り,そうした狩りを通じて社会を形成し,その社会を通じて動物の家畜化や農耕がはじまった.すなわち,人類の発展の歴史はみずからの手で新しい自然を作りだすことによってはじまったといえる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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