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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生36巻9号

1972年09月発行

文献概要

人にみる公衆衛生の歴史・17

太田典礼(武夫、1900〜)—産児調節運動と避妊技術

著者: 川上武1 上林茂暢1

所属機関: 1杉並組合病院内科

ページ範囲:P.604 - P.605

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 大正期にはいり産児調節は,一方で人口問題との結合により,他方で第1次大戦後の生活難よりくる国民の要望もつよく,重要な社会問題と化した.一部では労働運動・農民運動との結合もみられ,国民のあいだに広く浸透していった.しかし,その具体的効果となるとまるでおぼつかなかった.避妊の失敗による人工妊娠中絶が跡をたたず,避妊=堕胎という誤解もうまれるくらいであった.しかも,藩によるちがいはあっても江戸時代に盛んにおこなわれた堕胎が明治政府の人口増加政策のもとで禁止され,非合法の状況でしか行ないえないため,母体の危険もはるかに大きかった.そのなかで確実かつ安全な避妊技術をめざした医師の1人として,太田典礼(武夫)があげられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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